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2012年12月01日topics
マレーシア、ベトナム、タイ出張報告

マレーシア、ベトナム タイ出張報告

2012年12月1日
株式会社ネットス
代表取締役社長 藤本 周一

 

2012年10月21日~27日まで、藤本昇特許事務所の野村パートナー弁理士、小山弁理士、私の3名でマレーシア、ベトナム、タイに出張し、各国特許庁を訪問してきましたのでご報告させて頂きます。

■マレーシア特許庁(Intellectual property corporation of Malaysia ”MyIPO”

MyIPO1階入口

特許庁の概要:
特許庁は、商業ビルの複数のフロアにテナントとして入っています。1階には出願を受け付けるカウンターがあり、4~5人の係員が対応していました。電子出願も可能ですが、書類での出願を利用することが多いということです。

1階出願カウンター

また、1階には多数の郵便受けを設置した小部屋があり、特許庁からの通知書類が、各特許事務所毎に分けてその郵便受けに入れられています。特許事務所は、定期的にそれを受け取りに来るということです。

2階には特許調査用のパソコンが30台ほど設置されています。パソコンでは、マレーシア特許庁が提供している特許検索データベースを利用することができます。

出願カウンター横の小部屋には、事務用所の郵便受けがある

上階には、図書館(一般公開)のほか、意匠審査部門や特許審査部門が入るフロアがありました。最近の規則改正により、特許審査官とは対面でのインタビューができなくなったということです。審査官に賄賂を渡して便宜を図ってもらうことを防ぐことが目的のようです。電話によるインタビューか、担当官を介してのインタビューなら可能ということです。

 

 

 

★意匠審査官とのミーティング

マレーシア特許庁の意匠審査官とミーティングする機会がありましたので、ご報告します。

TEN NORLEZA ZAKARIA審査官(女性)によると、意匠審査官の人数は、方式審査4名、登録性審査5名の合計9名とのことです。

部分意匠についての質問に対し、「部分意匠の出願は法律に規定はないが、認められる。全体を破線で表し、保護を求めたい部分を実線で表せばよい。」とのことでした。

ただし、部分意匠の新規性の判断において、公知意匠との差異(類否)について質問すると、実線で表した部分のみならず、破線を含めた全体形状も考慮して類否判断する(実線部分が共通していても破線形状が異なれば非類似と判断する)とのことでした。

TEN NORLEZA ZAKARIA意匠審査官(右)と研修中の意匠審査官(左)

 

■ベトナム特許庁

ベトナム特許庁

ミーティング内容:
ベトナム特許庁を訪問し、PHAM PHI ANH副長官とミーティングを行いました。

副長官の話によると、ベトナム特許庁の概要としては、特許審査官が60人(第1G…電気電子、第2G…バイオ製薬、第3G…食品)、意匠審査官が15人、商標審査官が70人ということでした。

出願件数は特許が約4,000件であり、そのうち、90%が外国からで、そのうち70%がPCT出願ということです。

審査の状況としては、意匠の滞貨(処理待ち件数)はさほど多くないが、特許の滞貨は多いということでした。しかし、審査官のレベルはそれほど高くはないので、他国の審査結果を待ち、それを参考にして審査を行っているのが現状であるとのことです。

また、ハーグ協定への加盟について検討を始めているという話がありました。

 

PHAM PHI ANH副長官と撮影

 

■タイ商務省特許部 DIPDepartment of Intellectual Property

ミーティング内容:

タイ商務省特許部通称DIPを訪問しました。大きな会議室に案内され、DIPについて紹介したビデオを見せて頂いた後、質疑応答の機会を頂きました。

バンコク郊外にあるDIP

DIP側には、日本語通訳の方が同席されました。

DIPの特徴として、模倣品対策を担当する部門があり、行政的に取り締まる権限はないが、警察と協力して模倣品対策の取締りを行っているとのことでした。

会議室でのミーティングの後、特許審査部門、意匠審査部門のオフィスを見学しました。特許の審査官は約40人でした。

1階には、マレーシア、ベトナムと同様、出願を受け付けるカウンターがあり、順番待ちの掲示板がありました。マレーシア、ベトナムと比較すると、DIPは最も規模が大きいように思われました。

1階にある出願受付カウンター

特許審査官が使用している検索データベースを見せて頂きましたが、パブリックに利用できるデータベースと違い、全文テキスト検索が可能であり、精度のよい検索が可能なようです。現在は一般には開放されていないとのことでした。

2015年度にマドプロ、ハーグ協定に加盟できるように、また、小特許の登録要件として進歩性を加えるような法改正の準備を進めていると説明もありました。

 

4階の特許審査官の執務室

特許審査官の組織図

 

 

 

 

 

 

 

意匠審査官の執務室

意匠審査官に日本とタイの図面の記載の相違(稜線の描き方)
について説明している場面

 

 

 

 

 

 

 

 

  今回の出張では、各国代理人や審査官の方々と対面してミーティングができたことにより、メールや電話よりも深い意思疎通や信頼関係を築けたことが大変有意義でした。

 今回の出張で得た知識や経験を活かし、今後さらにお客様のグローバル化するビジネスを支援していきたいと思います。

以上

 

 

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